2026年に入り、日銀の政策金利がついに0.75%まで引き上げられました。それに伴い、「変動金利の基準金利」の上昇が、各銀行で現実のものとなっています。
銀行の窓口では、毎日と言っていいほど顧客から悲鳴に近い相談をいただきます。
「金利が上がったら、生活が破綻しませんか?」
「今のうちに固定金利に切り替えたほうがいいですか?」
「新NISAを止めて、繰り上げ返済に回すべきですか?」
私自身も住宅ローンの残高が2,000万円以上残っています。 銀行員である前に、二人の子供を育てる一人の父親として、今回の金利上昇は他人事ではありません。
今回は、地銀マンとしての「知識」と、ローン当事者としての「本音」を交えて、この金利上昇局面をどう考えるか、私の結論をお話しします。
2026年、金利上昇の「本当のインパクト」を冷静に見極める

まずは、落ち着いて「自分の家計にいくら影響が出るのか」を計算してみましょう。
例えば、借入残高3,000万円、残りの期間20年の場合。
金利が0.5%から0.7%へ「0.2%」上がったとすると、月々の返済額は約2,700円の増加です。年間に直すと約3.2万円。
「意外と少ない?」と感じた方もいるかもしれません。しかし、ここで注意が必要なのが、変動金利特有の「5年ルール・125%ルール」です。
・5年ルール: 金利が上がっても5年間は月々の返済額が変わらない。
・125%ルール: 5年後の更新時、返済額は前回の1.25倍までしか上がらない。
一見、私たちを守ってくれるルールに見えますが、実は「未払利息」として、本来払うべき利息が将来に先送りされているだけなのです。このルールに甘えて「支払額が変わらないから大丈夫」と放置するのが一番危険です。
なぜ私は「新NISA」を止めずに継続するのか
「金利が上がるなら、投資なんてしてる場合じゃない。返済が先だ!」という意見ももっともです。しかし、私自身は新NISAの積立を一切止めません。
その理由は、単純な「損益計算」にあります。
・住宅ローンの金利: 上がったとしても、多くの方は1.0%〜1.5%程度(優遇適用後)。
・新NISA(インデックス投資)の期待利回り: 長期で見れば年利5%〜7%程度。
借金の利息を払うスピードよりも、資産が運用で増えるスピードの方が圧倒的に速いからです。また、今は物価も上がっています(インフレ)。お金の価値が下がる局面では、相対的に「借金の価値」も目減りします。
さらに、住宅ローンには「団体信用生命保険(団信)」という強力な保険がついています。もし私に万が一のことがあれば、ローンはゼロになります。焦って手元の現金をすべて繰り上げ返済に使ってしまうと、この「生命保険効果」を自ら縮小させてしまうことにもなるのです。
地銀マンが今すぐ推奨する「3つの対策」
「放置はダメ、でも焦って返済もダメ」。ではどうすればいいのか。私が推奨する対策は以下の3つです。
「借り換え」をチラつかせた金利交渉
これは現役行員だから言えることですが、他行への借り換えを検討している姿勢を見せると、今の銀行が「金利の引き下げ」に応じてくれるケースがあります。特に2026年は銀行間の顧客争奪戦も激化しています。一度、ネット銀行などの低い金利や他銀行のキャンペーン金利を引き合いに出して、取引店窓口や、カスタマーセンターへ相談してみる価値は十分にあります。
※住宅ローンは銀行間の競争が激しいので、年々優遇の条件が拡大しています。10年ほど前に住宅ローンを組んだ方と現在の住宅ローンを比べると同じ銀行でも金利の差が結構ついている場合があります。金利の見直しするだけで低くなるのはこのケースの該当するのです。
「予備費」のキャッシュを厚めにする
金利上昇への最大の防御は「現金」です。毎月の返済額が増えても、生活を崩さないための予備費(生活費の半年〜1年分)は確保してください。投資に回すお金を少し削ってでも、まずは「守りの現金」を持つことが心の平穏に繋がります。
今から「固定」への切り替えは慎重に
すでに固定金利(特約)のレートはかなり上がっています。今から変動から固定に切り替えると、その瞬間に高い金利を確定させることになります。「安心を買う」という意味ではアリですが、家計のコストとしては割高になる可能性が高いです。
まとめ:うだつの上がらない地銀マンの「結論」
「金利上昇を恐れすぎず、淡々と新NISAで資産を積み上げ、守りの現金を確保する。」
銀行員として数多くの破綻事例を見てきましたが、多くは「無計画な借入」と「現金の欠如」が原因です。金利が0.2%や0.5%上がっただけで、すぐに家を追われるわけではありません。
私たちは「資産再構築」の真っ最中。
住宅ローンという大きな借金を背負いながらも、それ以上の資産を築き上げる。その過程をこのブログで、これからも等身大で発信していきます。
一緒にこの金利上昇局面を乗り越えていきましょう。



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